法令最終更新: 2026-04-19
「改正労働施策総合推進法」(通称: パワハラ防止法)
2020 年 6 月(大企業)、2022 年 4 月(中小企業)より、事業主に対し職場における「パワーハラスメント」(法令上の用語)を防止するための措置を講ずることが義務付けられました。 本ページは厚生労働省の一次資料をもとに、実務上の論点を整理しています。
免責事項
本ページの情報は一般的な参考情報であり、特定の事案に対する法的助言・判断を行うものではありません。 実際の対応にあたっては、弁護士・社会保険労務士などの専門家への相談をご検討ください。
1. 根拠法令
「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」第 30 条の 2 〜第 30 条の 8 が、 職場における「パワーハラスメント」防止に関する事業主の措置義務・相談体制整備・不利益取扱いの禁止を規定しています。
2. 法令上の「パワーハラスメント」の定義
厚生労働省「パワハラ防止指針」では、職場における「パワーハラスメント」を次の 3 要素をすべて満たすものと定義しています。
- ① 優越的な関係を背景とした言動
- ② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
- ③ 労働者の就業環境が害されるもの
これら 3 要素をすべて満たさない場合(例: 業務上必要な範囲での指導)は、 指針上の「パワーハラスメント」に該当しないとされています。具体的な該当例・非該当例は上記指針を参照してください。
3. 事業主に求められる措置(概要)
事業主の方針等の明確化と周知・啓発
- 就業規則その他の規程に対応負荷防止の方針を明文化する。
- 対応負荷事象の定義・該当例を資料や研修で周知する。
- 規範からの逸脱が発覚した場合の処分方針を周知する。
相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
- 相談窓口を設置し、利用しやすい運用を行う。
- 相談対応担当者への研修・プライバシー保護体制を整備する。
- 相談者が不利益取扱いを受けない旨を明文化する。
事後の迅速・適切な対応
- 事実関係の迅速かつ正確な確認。
- 対応者への配慮・発話者への措置(配置転換・懲戒等)の実施。
- 再発防止策の検討と実施。
4. 「カスタマーハラスメント」との関係
「パワハラ防止指針」では、顧客・取引先等からの著しい迷惑行為(いわゆる「カスタマーハラスメント」)への対応について、 事業主が取り組むことが望ましい事項として相談体制の整備・対応者への配慮・再発防止等が挙げられています。 厚労省は別途「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を公表しています。
5. 公的リソース(リンク集)
- 厚生労働省(PDF)事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(パワハラ防止指針)https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000605661.pdf
- 厚生労働省職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137181_00002.html
- 厚生労働省委託事業明るい職場応援団(ハラスメント対策総合情報サイト)https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/
- 厚生労働省カスタマーハラスメント対策企業マニュアルhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25730.html
- 厚生労働省令和 5 年度 個別労働紛争解決制度の施行状況https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00032.html
- e-Gov労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(e-Gov 法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/341AC0000000132
弁護士法 72 条に関する留意
本サイトでは具体的な事案が「パワーハラスメント」(法令上の用語)に該当するか否かの法的判断を行いません。 個別事案への該当性判断・対応助言は、弁護士・社会保険労務士など専門家へご相談ください。